一般に、ある商品の市場におけるある時点での売り(供給)と買い(需要)の出会いによって成立した取引価格をいう。したがって、相場は時々刻々に変動するのが本来の姿である。しかし商品によっては、一定の期間、意図的に相場を固定し、あらかじめ定めた取引価格で取引を進めることがある。これを固定相場(制)という。これに対して、相場本来の変動性をとくに強調するときは、変動相場(制)という。この典型は、通貨の国際為替(かわせ)相場(レート)である。
相場は価格であるが、今日では価格全般をさすことはなくなり、取引所で取引される株式、商品、為替について形成される価格のみをさすようになっている。経済が国内を主体にしていた段階では、株式と商品の相場が有名であったが、国際化時代の今日では、外国為替とくに円のドルやユーロ換算相場がむしろ一般になじみ深くなった。株式の相場は、市場全体の動きを示す相場(平均株価など)、業種別の相場、個別銘柄別の相場がある。平均株価には、単純平均株価、修正平均株価(ダウ平均、日経平均など)、移動平均株価がある。相場が上昇して市場が活況を呈すようになる状況を「強い」、反対に相場が下降して市場が沈滞する状況を「弱い」、相場が底をつき上向きに転じかける状況を「底入れ」という。また、強い相場には、その原因によって金融相場や業績相場がある。金融相場は、金融緩和による金余りを背景にした高相場であり、したがって景気上昇時のみでなく景気後退期にもありうる。それをとくに不景気の株高などという。