土地を分けることを不動産用語では、「分筆(ぶんぴつ)」といいます。
土地を分筆して売却する場合、登記上で1筆となっているのであれば、それを分割して2筆以上にする手続きが必要です。
所有者自身、「2筆かと思っていたら実は1筆だった」というケースもあるため、土地を分筆して売却する場合は事前に登記記録を確認することが重要です。
【目次】
② 分筆された敷地の接道によって土地の価格が大きく変わる可能性がある
③ まとめ
分筆して売りたい土地が1筆で、分筆の必要がある場合には以下の手順にしたがって手続きを進めていきます。
まず、分筆する土地については、土地全体についての測量が義務づけられています。とくに土地を売却するにあたっては、境界を確定するための土地境界確定測量が必要です。
土地境界確定測量とは、土地の境界を明確にするために測量をすることです。
図面や登記記録に記載があっても、実物の土地を見たときには一目では境界がわからないときがあります。後々トラブルの原因としないためにも、木などで仮杭を作成し、境界点を明確にします。
仮杭を作成したら、「本当にこの分筆で問題がないか」を実際に関係者との間で確認します。
関係者間で合意が取れたら、仮杭をコンクリートや石に変え、永久境界標を作成します。
永久境界標を埋設後に、図面や申請に必要な情報を作成します。その後、分筆登記の申請をおこない、受理されると分筆された土地に新たな地番が付与されます。これをもって独立した土地として登記されれば、1筆部分だけで売ることが可能となります。
分筆にかかる費用は、土地の所有状況や形状・広さなどによっても違いが出てきます。
都市や農村などの地域区分、また接道が私道か国道かなどによっても、手続きの難易度が異なります。
② 分筆された敷地の接道によって土地の価格が大きく変わる可能性がある
都市計画区域及び準都市計画区域では、建築基準法において「幅員4m以上の建築基準法上の道路に2m以上接道していないと建築できない」と定められています。これを「接道義務」と呼び、2m以上の間口で道路と接していない土地には建築工事の許可を受けることができません。
そのため、当事者が土地を分筆して売却する場合は接道義務をはたしているかどうか注意しなければ土地の価格が大きく変わる可能性があります。
たとえば、A土地をBとCの二つに分筆する場合、Bが接道義務をはたしている、Cは接道義務をはたしていない、となればB土地とC土地が同じ大きさであっても土地の価値は全く違ってきます。
しかし、土地の形状によっては、Aの側の一面のみ道路に接している場合もあります。
こうした土地を前と後ろに分ける場合は、旗竿地という旗に竿のついたような形状に分けることが一般的です。この形状にすることで、接道義務をはたすことになり、宅地などの活用価値が得られます。
敷地に接している道路が建築基準法で認められた道路であるかどうかは、役所等で調べることが出来ます。