⑤ 空家でお悩みの方
「実家を相続したけれど、住む予定がなく、空き家状態にある・・・」といったお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか? 所有した空き家をどうするかといった問題は、決して他人事ではないでしょう。
全国で空き家が増えていっていますが、空き家はどのようなリスクをかかえているのでしょうか? 空き家は所有者にとって、土地と建物が有効に活用されないという機会損失が発生しています。しかし、所有者自身だけではなく、周囲にも悪影響を及ぼす問題なのです。
放置された空き家は次第に老朽化し、家屋倒壊の危険が増したり、屋根材が飛散したりといったリスクが高まります。さらに害獣や害虫の温床になりやすく、雑草が生い茂って地域の景観上の問題に発生したりもします。
また空き家があることで犯罪の温床となったり、空き家への放火が行われたりするリスクも。空き家が増えることで、住宅の資産価値が下がっていくケースもあります。このように、適切に管理されていない空き家は、周辺地域にも経済的損失を及ぼすリスクがあるのです。
こうした空き家問題に対処するため2015年に施行されたのが、「空き家対策特別措置法」です。空き家の中でも、倒壊の危険や環境悪化につながる可能性の大きい空き家を「特定空き家」と指定できるようになりました。
空き家が特定空き家に指定されてしまうと、土地の固定資産税に対する特例措置が外され、税制上の優遇を受けられなくなります。こうなると所有者にとっては、空き家を所有し続ける意味がありません。
さらに、特定空き家に対して、自治体が撤去など強制的に対処できる規定が設けられました。強制対処を行政代執行ともいいますが、行政代執行で空き家が解体された場合などには、所有者はその費用を負担しなければならないのです。
空き家問題の解決策のひとつとして、現在「空き家バンク」が注目されています。これは空き家の所有者と、空き家の購入希望者や賃貸希望者とを結びつける仕組みです。
空き家は放置していくと、次第に傷んでいってしまいます。しかし空き家になってあまり時間が経っていない建物であれば、放置された空き家に比べて傷みも多くありません。ご自身で住む予定がない場合であれば、早めに賃貸や売却などを検討されるとよいでしょう。